執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

定期昇給、ベースアップに続く「第3の賃上げ」が注目されています。

 

部品検査会社サニクロ社は、20216月に従業員向けに、エデンレッドジャパン社が展開する福利厚生策の非課税枠を活用した食事補助サービス「チケットレストラン」を導入しています。

 

従業員の8割をパートが占めるサニクロ社では、業績に大きな影響を及ぼすパート従業員の定着率を高めようと賃上げに取り組んできたが、社会保険の加入義務が生じるなどして手取りが減る「年収の壁」を意識して働くパート従業員も多く、賃上げには限界が生じていたため「賃上げに代わる施策や他社との差別化としてサービスを導入、従業員には喜ばれて、サービスが活用されている」とサニクロ社はコメントしています。

 

エデンレッドジャパン社によると、「チケットレストラン」の23年の新規契約企業数は、21年比約4倍になっており、従業員の賃上げが急務となる中、定昇やベアの代替策として中小企業を中心に利用が拡大し、契約企業数は全国で約2000社と1987年のサービス提供開始から最多となったようです。人手不足が顕著な運輸や介護、建設業界からも問い合わせが増えているといい、2024年も伸長を見込まれるようです。

ニーズの高まりについてエデンレッドジャパン社は「福利厚生を通じた取り組みは、実質的な賃上げの効果を感じやすく、エンゲージメントや採用力アップに貢献するなどメリットも多い」とコメントしています。

 

弊社が関与するIT企業も「チケットレストラン」の導入を検討されているとお聞きします。

また、実質的な賃上げとしては、基本給は変更せずに所定労働時間を短縮したというケースや、月の総支給額は変更せずに固定残業手当を少なくして基本給を増やした、固定残業手当の時間数を増やして月の総支給額を増やしたというケースもお聞きしております。

 

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