執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
IT企業の人事評価制度のご支援をしてきていると、今まで支給されていた賞与の算出方法が不明であったケースがいくつかありました。
1社は、直前に引退された創業者が鉛筆を舐めて基準を作成されているとご相談がありましたが、様々な角度から検証を行った結果、SESの単金だけではなく、遅行や早退・年次有給休暇の取得率など複合的な要素から基本給に賞与の係数を掛けて算出していることが明らかになったケースがありました。
もう1社は、基本給に管理職かどうかで基準となる係数が設定されており、そこに以前の経営者の実質的な評価が入り、0.5〜4倍になっているというものでした。0.5〜4倍という部分に、以前の経営者の実質的な個人に対する評価結果が現れているものだと推測しましたが、詳細まではわからなかったケースになります。
これまで支給実績のある手当も、どういう基準で支給していたか当時の担当者がいないと経緯がわからないケースもよくお聞きしますが、賞与については、金額も大きく、会社によっては年収に占める比率も大きいこともあります。賃金制度を刷新する場合、同時に賞与制度も見直すこともありますが、賞与算出方法が不明な場合、年収から分析して月額の給与の設計するなど、様々検証を行うこともあります。

