休職期間中に年次有給休暇の付与日があるとき、年次有給休暇は付与しなければいけないのでしょうか。また休職期間中に請求があったら認めなければならないのでしょうか。

年次有給休暇(以下、年休という)は、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して発生し、年休を付与する基準日に付与されます。

年休は、労働義務がある日を対象にし、その労働の義務を免除するものですので、労働義務がない日(=休職中)については年休を請求する余地がなく、休職者には年次有給休暇を請求する権利がありません。つまり、年休を与える必要はないとなります。

ただし「休職中」というのが、傷病等により長期休業中の者なのか、会社からの休職発令により、元々配属されていた所属部門から外れ、単に会社に席がある程度で、会社に対して全く労働の義務が免除されている者なのかにより、厳密な扱いは異なってきます。(S24.12.28基発1456号、S31.2.13基収489号)

休職の取り扱いそのものについて、就業規則に具体的に定められてあり、また適正に運用されているかがポイントとなります。

※参考(上記の行政通達)【長期休業中の場合の年次有給休暇】

問 長期休業中の労働者の年次有給休暇の行使に関し、左記のとおり取扱ってよいか。

(1)負傷又は疾病等により長期休業中の者が休業期間中年次有給休暇を請求したときは、年次有給休暇を労働者が病気欠勤等に充用することが許されることから、このような労働者に対して請求があれば年次有給休暇を与えなければならないと解する。

(2)休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に席があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができないと解する。

答(1)、(2)とも貴見のとおり。

年次有給休暇とは?
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html