執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

ヒューマンリソシア社は、世界のIT技術者の給与動向を調査し、「2022年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.6」として発表しています。

IT技術者の給与が、世界で最も高いのは「スイス」(10万53USドル)となり、順に「米国」(8万9161USドル)、「イスラエル」(8万5131USドル)、「デンマーク」(7万772USドル)、「パナマ」(6万1125USドル)となります。6位から10位にも欧州の国々がランクインしていて、給与の高さが際立つ結果となっています。

「日本」(3万8337USドル)は世界20位で、昨今の円安・ドル高の影響もあり、前年と比べ15.1%給与が減少していますが、世界と比較しても日本のIT技術者の給与水準の低さが憂慮される結果となり、アジアでは18位の「シンガポール」、19位の「香港」が日本の上位に並び、25位には「中国」が迫っている結果となります。

IT技術者の給与額を、前年データと比較し増減率を算出して給与額の伸びの調査では、増加率1位は「アルゼンチン」(81.9%)となり、順に「バーレーン」(60.3%)、「パナマ」(48.2%)となり、6位の「ブラジル」、8位の「メキシコ」など、IT技術者が増えている南米地域で給与額が大幅に上がっています。

「日本」は67位で、IT技術者の給与増減率は15.1%減と大幅に下がっており、中南米や欧州などIT技術者が増えている地域で給与が上昇する中、USドルに対する為替レートが大きく変動していることを考慮しても、日本のIT技術者の給与の停滞が目立つ結果となっています。

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ITエンジニアの採用に苦戦しているという声は、以前よりもよく耳にします。給与水準も見直してはいかがでしょうか。

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