執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

あしたのチーム社の調査により、人事評価制度を導入している企業での従業員の大半が、自社の給与額決定方法が適切だと思わないことが給与額への不満にもつながることがわかりました。

給与額決定に考慮される項目を聞いたところ、最も多いのは「人事評価の結果」(64.0%)、次いで「職務内容」(53.3%)、「役職」(47.0%)と、3割以上が人事評価制度を導入していても「人事評価の結果」が給与額決定に考慮されないことが分かります。

自社の給与額決定方法が適切だと思うか聞くと、「そう思う」「ややそう思う」が計45.6%、「あまりそう思わない」「そう思わない」が計54.4%と半数を超えています。

給与額決定方法が適切だと思う理由については、「個人の成果や貢献度が給与に反映されるから」(55.5%)が最も多く、以下「給与額の決め方が社員に開示されているから」(38.7%)、「決めた目標や基準を達成すれば給与が上がるから」(33.6%)となり、

適切だと思わない理由については、「給与額の決め方が不透明だから」(46.6%)が最も多く、以下「個人の成果や貢献度が給与に反映されないから」(46.0%)、「なぜその金額なのか説明されないから」(36.8%)となります。

自社の給与額決定方法が「適切だと思う」と答えた人で、「満足」なのは15.3%、「やや満足」は52.6%となり、「適切だと思わない」人で「満足」なのは0.6%、「やや満足」は14.1%と、合わせて14.7%にとどまった。「適切だと思わない」人の8割以上が給与額を不満に感じていて、決定方法が適切でないと思っていると、金額にも不満を持つ傾向があるようです。

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人事評価制度は、大きく分けて等級制度・賃金制度・評価制度の三つから構成されております。企業規模の小さい会社であれば、評価制度は導入したものの、等級制度や賃金テーブルを導入していない企業が多いのかもしれません。

賃金テーブルは公開されている企業と公開されていない企業もありますが、企業規模に関わらず、なぜその金額なのか説明されていない企業は、人事評価制度に対しての不満につながっています。

以前、評価者がフィードバックの際に、評価の理由を説明していなかった企業がありましたが、原因は評価シートは運用しているものの、それがどう賃金や等級に影響しているのか評価者にすら説明されていないため、評価者が被評価者に説明できない状況になっていた事例もありました。

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