執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
リクルートキャリア社は、「ジョブ型雇用」に関するアンケートを発表しました。
1. ジョブ型雇用の認知率
「ジョブ型雇用」という言葉については「知っている(54.2%)」「知らなかった(45.8%)」になります。
「ジョブ型雇用」の具体的な内容について確認したところ、「仕事の内容の定義(Job Description作成)と適材適所の推進(31.4%)」「求められる組織ミッションや職責のレベルに応じてグレードを定め、その職務により人材をグレードで管理する(29.8%)」「総合職ではなく、職種ごとに採用する(27.7%)」が代表的な内容になります。
また、「詳細は分からない(38.5%)」の選択率が最も高い結果となり、これは全体の45.8%が「ジョブ型雇用」という言葉を知らなかったという状況が影響していると考えられます。
2. ジョブ型雇用の導入状況
ジョブ型雇用の導入は12.3%。従業員規模が大きいほど導入率が高い傾向になります。
調査実施の2020年9月時点で約7割が1年半以内に「ジョブ型雇用」を導入していることから、比較的最近になってから制度変更を実行している状況が見て取れます
3. ジョブ型雇用を導入済・導入経験有企業と導入検討企業の比較
導入済・導入経験有企業が「ジョブ型雇用」で取り入れている内容は、「仕事の内容の定義(Job Description作成)と適材適所の推進」「求められる組織ミッションや職責のレベルに応じてグレードを定め、その職務により人材をグレードで管理する」がともに64.0%で、「総合職ではなく、職種ごとに採用する」(47.6%)が続いています。
導入済・導入経験有企業が「ジョブ型雇用」を取り入れている理由としては、「特定領域の人材(デジタル人材など)を雇用するため職種別報酬の導入が必要になったため」(54.3%)、「労働時間削減のため(業務効率化)」(51.2%)、「新型コロナウイルスの影響により、テレワークなどに対応し業務内容の明確化が必要になったため」(46.3%)が代表的であり、導入検討企業の場合は、「専門職としてキャリアを積みたい人材を採用するため」(49.3%)、「特定領域の人材(デジタル人材など)を雇用するため職種別報酬の導入が必要になったため」(46.5%)、「労働時間削減のため(業務効率化)」(41.0%)という結果になります。
IT企業のエンジニアなど、専門性のある職種についてはジョブ型は導入しやすくはります。メンバーシップ型、ジョブ型、それぞれメリットデメリットがありますので、自社の戦略と人事体制に適合した上での判断も重要であり、人材マネジメントの在り方を再定義することも一考です。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくりセミナー