執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
野村総合研究所社が2020年2月に実施した「ワークモチベーション調査」によれば、デジタル人材(デジタルビジネスに直接的に関与している社会人)のモチベーションや志向性は、非デジタル人材と比較して異なる結果が判明しています。
同調査においてモチベーションの源泉については、以下の5つの領域を選択肢として尋ねています
・経営理念・ビジョンなどに関する共感
・組織風土・マネジメントスタイルなどに関する共感
・給与などの労働条件の魅力
・職場の労働環境(物理的な働きやすさ)
・やりたい仕事(スキルアップ・成長につながる仕事)ができること
デジタル人材全体と非デジタル人材全体では、上記5つのモチベーションの中でのトップは共に「給与などの労働条件」であり、「職場の労働環境」「やりたい仕事ができること」と続く順位についても同様の傾向を示していますが、「経営理念・ビジョンなどに関する共感」や「組織風土・マネジメントスタイル等に関する共感」については、デジタル人材の回答が非デジタル人材の回答を大きく上回る結果となっています。
デジタル人材についての階層別(経営層・事業責任者・マネージャー・メンバー)によるワークモチベーションに違いについては、デジタル人材の経営層、事業責任者の上位階層は、より「経営理念、ビジョン」や「組織風土・マネジメントスタイル」を重視する傾向が強いことが分かっています。
また、メンバークラス、マネージャークラスの階層でもデジタル人材と非デジタル人材では、それぞれの階層で異なるワークモチベーションを有することを示しており、単に管理職向け、一般社員向けという区分ではなく、よりきめ細かな人事・人材施策を展開していく必要性を示唆している、と野村総合研究所社は分析しております。
この調査結果にもあるように、勢いのあるIT企業では、経営理念やビジョンなどを明確に打ち出し、これらを人事評価にも反映して組織風土を形成されようとする企業が多く見受けられます。
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