執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
Uber TechnologiesのCEOは米国時間8月10日、自社の契約ドライバーが福利厚生と柔軟な勤務体系の「両方のメリット」を享受できるようにする必要があると語っています。
同氏は、NewYorkTimesの寄稿した記事で、法律によってギグエコノミー企業に「福利厚生基金」の創設を義務付け、「労働者に健康保険や有給休暇など、自分の望む福利厚生で利用できる現金」を提供することを提案しており、「われわれの現在の雇用システムは時代遅れで不公正だ。全ての労働者は、福利厚生はあるが柔軟性の少ない従業員となるか、柔軟性はあるがほぼセーフティネットのない独立請負人となることを選択せざるをえない状況だ」とし、「この誤った2択の状況から動き出すべき時だ」と述べています。
Uber社とライバルの配車サービス企業Lyft社は、カリフォルニア州で契約ドライバーを従業員に区分し直すことを求める仮差し止め命令に直面しており、両社のドライバーは独立した請負業者として分類されているため、ガソリン代や車の維持費、保険料などを負担し、健康保険や有給休暇といった福利厚生サービスも受けられていません。
カリフォルニア州の司法長官は5月、Uber社とLift社を相手取った訴訟で、両社がドライバーを従業員ではなく独立した請負業者に区分することで、「数十万人のカリフォルニアの労働者を搾取」し、カリフォルニア州の「AB5」法に違反していると主張しており、Uberはブログ記事とドキュメントでも自社の提案を説明した中で、Uber社のCEOは、福利厚生基金の創設を提案したほか、業務中に負ったけがなどを対象とした医療費を賄う保険を提供できるよう法律で義務付けるべきだと述べ、今後会社として独自の取り組みに乗り出すことも明らかにしています。
新型コロナウィルスを機に、ギグワーカーが100万人以上増加したと言われています。
日本政府も、個人事業主などフリーランスで働く人を保護するため、労災保険に加入できるよう制度を改正する方針を固め、フリーランスを推進しており、仕事でけがや病気になった場合でも公的な補償を受けられるようにするとしています。
今後一層、ギグワーカーという働き方は浸透していくかもしれません。
会社を守る就業規則
https://it-jinji.net/business/rulebook/
関連記事「ギグワーカーという働き方」