執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

ガートナー ジャパン社のエンタプライズアプリケーション開発における人員/スキル(人材)の過不足に関する調査結果によれば、8割以上の企業が人員(81%)、スキル(83%)ともに不足していると認識している結果が示されています。

この傾向は、業種別・従業員数規模別の側面から見ても概ね同様であり、こうした不足に対応するための人材の確保や育成の施策について質問したところ、回答者の59%が外注に依存しており、研修やOJTでの育成、外部からの採用によって積極的な確保を図っている企業は、いずれも20%ほどにとどまるという結果になります。

ガートナー社では、従業員数の多い大企業は、外部から採用する割合が比較的大きい傾向(40%半ば)にある一方、人材の積極的な確保、育成に取り組んでいない企業も一定数あり、既に取り組んでいる企業とそうでない企業の間では、今後のデジタルビジネス時代への適応力に差が付いてくると見られるとしています。

今回の調査では、ビジネスの阻害要因となっているアプリケーションの有無についても質問しており、その結果、全体の51%の回答者が、「阻害要因となっているアプリケーションが自社にある」と回答しており、こう答えた企業の理由としては、「必要なタイミングですぐに変更できない(51%)」「ブラックボックス化(49%))」「技術者不足(38%)」の3項目が上位に挙げられています。

ガートナー社では、「必要なタイミングですぐに変更ができない」との回答については、アプリケーションのアーキテクチャーに問題がある場合があり、アーキテクチャーの見直しによって変更を容易にする必要があるとし、「ブラックボックス化」を解消するには、ドキュメント類の整備とともに、設計ツールや開発ツールの採用が有効としています。

「技術者不足」については、刷新後に必要となる人員やスキルを特定し、アプリケーションを内製/外製する場合の両面から人材確保の方針を検討する必要があるとしています。

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今回の調査結果にもあるように、人材の積極的な確保・育成の取り組みが、今後の企業の成長にも影響してくるでしょう。

 

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