執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
リクルートワークス研究所の調査によれば、会社に入って最初の10年間は順調に成長するものの、仕事に慣れてきたあたりから成長実感が鈍化していくケースが多く、自分が「成長している」という強い実感をもっている人の割合は、30歳前後を境にして急激に低下していくことが明らかになっています。
理由の1つとして「知識の固定化」があり、人は経験を通じて問題を発見し解決するための知識やノウハウを身につけるが、一度「型」ができあがってしまうと、それを作り変えることが難しく、一度できあがった特定のやり方や成功体験に固執しているだけでは成長が止まってしまうことが挙げられます。
完成した「型」をほぐし、自分の仕事のやり方を見直す契機として注目され、リーダーの育成をはじめとする企業の人材教育に活用されているのが「リフレクション(内省)」です。
リフレクションとは、米国の教育哲学者であるジョン・デューイ士が提唱した「実践的認識論」における内省的思考(リフレクティブシンキング)に由来し、起こった出来事や自身の行為を内省すること、なにが良くてなにが悪かったか、振り返ることを意味します。
出来ないことや失敗を振り返る「反省」とは異なり、内省の重要性は、、組織行動学者のデービッド・コルブ氏が提唱した「経験学習サイクル」(具体的経験をする→内省する→教訓を引き出す→新しい状況に適用する)という4つの要素を循環させることで、人は成長することができるという理論にて内省の重要性が挙げられています。
経験学習」研究者の松尾教授によれば、ビジネスの現場でも活用しやすいように、「ストレッチ」「リフレクション」「エンジョイメント」というキーワードに置き換え、「経験から学ぶ力の三要素」と提唱しています。
・ストレッチ:背伸びすれば届く高さの挑戦に向かって挑戦する姿勢
・リフレクション:アクションを起こしている最中やアクション後の振り返り
・エンジョイメント:やりがいや意義を見出して仕事を楽しむこと
このサイクルを実践している人は、30代、40代、50代になっても成長し続けることができます。
リフレクションを行うことで、自分の強みや持ち味を磨くことができ、自身の成長につなげることが出来ます。
20%の社員しか、強みや持ち味を発揮出来ていない、という調査結果もあり、逆をいえば80%の社員はまだまだ伸びる可能性を秘めております。
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