執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
総務省の労働力調査によると、2018年の転職者数は2017年比5.8%増の329万人と8年連続で増え、20008年のリーマン・ショックによるリストラ増加の影響以来10年ぶりの高水準となり、国内で雇用の流動化が徐々に進んでいることが明らかになりました。
企業がIT人材を補充するなど、賃金面で好条件を提示し中途採用を増やしている。自動車や電機など製造業でも即戦力を確保する動きが広がっています。
リクルートキャリア社によると、転職後に賃金が10%以上高くなった人は2018年度に約30%と年度ベースで初めて3割を超え、より高い収入を狙って転職する人が増えています。
年功序列型の賃金体系が変化してきており、転職の年齢層にも変化が出ています。転職者を年代別にみると、2008年は34歳までの若年層が全転職者の52%を占めていたが、2018年は若年層が43%まで低下し、45歳以上の中高年層が38%と11ポイント増えています。
ITベンチャー企業を中心に、新卒など若年層の給料を上げる一方、中高年の給料の伸びを抑える企業も増えて来ており、「中高年が会社で長く働く理由が薄れてきた」と野村証券は分析しています。
人手不足による人材争奪を背景に、賃金体系含めた人事制度の見直しを検討するIT企業が増えています。
人材育成から定着率向上につながる人事評価制度