執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
日経 xTECHがITや電子・機械、建築・土木などのエンジニアを対象に、睡眠実態についての調査を行いました。
「あなたは平日、十分に眠れていると感じていますか?」については、最も多かったのは「どちらかといえば眠れていない」は38%、「十分眠れていない」は26.0%と、6割以上のエンジニアが「睡眠不足」と感じています。
実際の睡眠時間については、多い順に「5時間以上~6時間未満」約38%「4時間以上~5時間未満」約25%、「6時間以上~7時間未満」約22%と続いています。この割合は、性別や年代、既婚/未婚の違いにかかわらず、傾向はほぼ同じだった。
睡眠負債をためないために必要な睡眠時間は、1日7時間といわれていますが、6時間未満の回答を合計すると、約72%に達しおり、ほとんどのエンジニアは間違いなく、睡眠負債を日々蓄積していることが改めて判明しました。
この結果は、厚労省の「国民健康・栄養調査」の結果と比較すると、一般的な睡眠の調査結果に比べて、エンジニアの睡眠時間の短く、相当深刻な寝不足状態であることが分かります。
「睡眠負債をため込むと、思考力や記憶力が落ちて、仕事のミスが増える。モチベーションの低下やうつ病の原因にもなる。がんや肥満、糖尿病といった病気の発生リスクも高くなる」と、睡眠研究の第一人者である、睡眠評価研究機構の白川氏指摘しています。
エンジニアの約7割が6時間未満の睡眠しか取らずに仕事をしているという実情について、白川氏は「あまりにひどい状況。毎日の睡眠が6時間未満では、心身に悪影響を及ぼすリスクはかなり高まる。エンジニアの多くは頭が十分に働いていない状態で、無理やり仕事を続けていると思われる。業務効率は落ちる一方だ」早急に改善しなければならないと指摘しています。
フレックスタイム制度と組み合わせたシエスタ制度の導入などの、仮眠を認める制度を導入、生産性の向上や柔軟な働き方を推進するIT企業も増えております。
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