執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
リクルートキャリア社の調査により、中途採用を実施しているにもかかわらず、選考合格者数が計画を下回っている企業は35.7%であり、中途採用が不調な企業では、予算が不足しているケースや、経営者や部門責任者の採用への関与度が低いケースが多いことがわかりました。
職種別にみると、最も中途採用に苦戦しているのは「機械・電機・化学エンジニア」で、「計画を下回っている」と答えた企業が約37%であり、順に「管理系職種」約35%、「生産・品質管理職」約34%、「接客・販売・店長・コールセンター」約34%、「営業」約33%と続いています。
人手不足と言われている「ITエンジニア」28.9%と、苦戦はしているものの、最も中途採用に苦戦している職種ではないようです。
採用難の企業が抱えている課題は、「採用にかけられる予算が少ない」が33.9%でと最多であり、順に「面接での見極めがうまくできない」約28%、「採用競合と比較して自社の条件が劣る」約27%、「採用担当者が足りていない」約26%、「適切な採用計画を立てられない」25%、「求める人物像を具体化できない」23%と続いています。
また、中途採用に苦しんでいる企業は、そうでない企業よりも、経営者や部門責任者の関与度合いが低いことも判明しており、苦しんでいる企業では採用予算の策定・採用戦略の構築・募集要項の作成といった業務を人事部の担当者や責任者が主に手掛けていたが、そうでない企業では役員や経営者、求人を出している部門の責任者なども参加していることも判明し、リクルートキャリア社は「今後、経営や現場がいかに採用にコミットするかが、企業の持続的な事業成長の明暗を分けるカギになる」とコメントしています。
優秀なエンジニア確保のために、ITエンジニアは初任給を高額に設定するなど、人事評価制度の見直しをする企業が増えていることが背景にあるようです。
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