執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
IPAから「IT人材白書2018」が発行されました
今回の白書では、デジタル変革などの環境変化により、IT人材に求められる質が変化している状況が浮き彫りとなり、IT人材の質を向上するには、知識や経験を得やすい企業文化・風土の醸成が有効であると主張しています。
まず、IT人材の質と量の不足間感の調査内容では、下記結果になっています。
・量についての過不足感の回答は過去最多の約30%、
・質について大幅に不足しているは2008年に次ぎ、過去最多
また、人材の質との関係があると考えられる企業文化・風土として下記の7つの項目を指定し、自社がそれぞれの項目について当てはまるかどうかを調査しています。
・ビジョンや価値観の浸透
・風通し、情報共有
・学びあう、育てる、助け合う土壌
・仕事を楽しむ、遊びこことを持とうとする姿勢
・新しいことにチャレンジ
・多様な価値観の受け入れ
・他社とは違う特徴(長所)
IT企業に企業文化・風土の当て当てはまり具合を調査したおところ、「社内の風通しが良く、情報共有がうまくいっている」「自社のビジョンや価値観が従業員に行き渡っている」「お互い成長する・学び合う、育てる、助け合う土壌がある」が上位となっています。
IT人材のモチベーション向上のための施策についても調べたところ、施策の実施数が多いほど、質への影響があると推測から、企業文化・風土の醸成にも有効であることが浮き彫りとなっています。
「自己啓発支援」「実力に応じた待遇」の実施社数が多いと、いずれの企業でも企業文化・風土の7つの項目の合計点が高くなり、施策の実施数も多くなる傾向にあります。
「今後ますます、IT人材に高い能力やスキル転換が求められるようになり、IT人材の質不足が大きな課題になる」「モチベーション向上のための施策を実施することで企業文化・風土が醸成され、それが個々の人材の自律的な成長を促す。IT人材の質が向上することで、さまざまな課題の根本的な解決につながると期待している」とIPAは指摘しています。
「自己啓発支援」「実力に応じた待遇」といった、IT人材のモチベーション向上の施策や制度の導入を検討されてはいかがでしょうか。
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