執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
2019年卒の新卒採用の広報活動が3月1日に解禁されることもあり、採用力向上のために初任給についてのご相談が増えてきています。
厚生労働省の産業別の初任給の調査によると、大学卒の初任給の高い産業は、情報通信業、建設業、生活関連サービス業,娯楽業の順となります。また、平成28年度は、情報通信業の初任給は建設業を抜いて1位となり、情報通信業の対前年増減率は、学卒全てにおいて高い伸び率になります。
IT人材を新たに求めるようになったメーカーなどの元々給与水準が高い業界が採用の参入や、慢性的な人手不足から優秀な人材を確保するため高額な初任給を設定する大手IT企業が出てきていることなどが背景にあります。
近年、学生の愁傷活動に親が関与するようになったため、親に反対されて内定を辞退する「親ブロック」も増えてきています。「親ブロック」を防止するために、学生の納得だけでなく親の確認のめに、内定承諾書と親のサインをお願いする企業や、中堅IT企業の中には、お中元やお歳暮の時期に内定者の親に手書きの手紙を添えて、とらやの羊羹を贈っているところもあるようです。
また、マイナビ社やリクルートキャリア社の学生の就職についての調査をみると、以下の三つの傾向があるようです。
・「楽しく働く」=「職場の雰囲気」「人間関係」を最も重要
・「給与・待遇」より「やりがい」「私生活との両立」を重視
・「ワークライフバランス」、「安定感」も重視する傾向
採用力を向上させるためには、初任給の設定も重要ですが、「親ブロック」の対応や、学生の就職観から、職場の雰囲気づくりや私生活との両立ができる仕組みを検討し、学生にPRしていく必要があります。
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