執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

以前、人事評価制度の導入を検討しているが何をどのように検討を進めたらいいかお困りのIT企業の人事部門から相談があった事例になります。話を聞くと、今まで人事評価制度と呼べるようなものは無いものの、各部門の長が自部門のみの独自のルールを適用させているため社内での統一することができるのか、中途採用をメインとしていたため給与体系にもバラツキがあるなど、各方面に課題があるようでした。

そのため、人事部門と検討した上で、弊社を第三者として、社員ヒアリングを実施し、客観的に分析することにいたしました。キーパーソンとなる人物を何名かピックアップしてもらい数十名の社員ヒアリングを行ったところ、人事部門が想定していたことに加え、労務面の課題がいくつか声として挙げられていました。

マズローの欲求階層説のよれば、下記①から順に高次の欲求になります。

①生理的欲求(食べたい、寝たい…)

②安全・安定の欲求(危険は避けたい、安全に暮らしたい…)

③社会的欲求(仲間が欲しい、集団に属したい……)

④承認の欲求(評価されたい、認められたい)

5自己実現の欲求(創造性、自発性…)

人事評価制度は「承認の欲求」に該当すると考えられますが、労務面の問題は「安全・安定の欲求」に該当すると考えられます。

過去に、労務面に課題がある状況で、人事評価制度を導入してもせっかく導入した人事評価制度が空回りしたケースもありました。

この企業の場合、労務面の課題解決と併せた人事評価制度の導入のサポートを進めることになりました。