執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
以前、年齢給を勤続給に見直したいというご相談の事例がありました。年齢によって金額が増加する年齢給的な要素の基本給を導入していたケースになります。
同一労働同一賃金の考え方では、雇用形態による不合理な待遇差が禁止されています。従い、正社員の基本給は年齢給的な要素を取り入れている場合、正社員以外にも年齢給的な要素を適用する必要があると考えられます。例えば、40代・50代で入社した時給制のパート社員の時給も年齢給に相当した時給設定が必要になるとも考えられます。
勤続年数に応じて金額が増加する勤続給的な要素の基本給の場合、40代・50代で入社したパート社員の時給は勤続年数に応じたものであれば、同一労働同一賃金には抵触しないと考えられます。ただし、正社員の勤続給が毎年増加するのあれば、パート社員の時給も毎年増加しなければ不合理であると考えられます。
この企業は、年齢や勤続年数に応じて増加する制度は、能力や求める役割に対する評価に関わらずを給与が増加するため、こういった制度を廃止にし、より能力や業績等に応じて連動する賃金制度と永年勤続表彰金制度を導入したケースもありました。