執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
学情社が「就活生はどのような給与形態を支持しているのか」の調査を発表しており、「個人の成果に応じて報酬が決まる給与体系」については、「魅力を感じる」(25.3%)「やや魅力を感じる」(43.0%)と合わせると、約7割に迫る学生が成果報酬型の給与体系に魅力を感じていることがわかります。
具体的には、「モチベーション高く仕事に取り組むことができると思う」「社員同士が切磋琢磨しやすく、成長性が高い会社だと感じる」といった声が挙げられています。
「個人の成果に応じて報酬が決まる給与体系」と「年功序列型や終身雇用型の給与体系」を比較した場合については、「個人の成果に応じて報酬が決まる給与体系」の方が魅力的だと回答した学生が20.1%、「どちらかといえば、個人の成果に応じて給与が決まる給与体系」(41.6%)と合わせると、6割以上に及ぶ結果となっています。
回答の理由としては、「成果に応じて正当に評価されないと、社員の能力やスキルが最大限発揮できないと思う」「転職が当たり前になってきているので、個人の成果を重視した方が良いと感じる」「会社全体の生産性が向上すると思う」などが挙げられています。
また、産業能率大学総合研究所は「2024年度(第35回)新入社員の会社生活調査」結果を発表しており、「年功序列」と「成果主義」のどちらを望むかを尋ねたところ、「成果主義」51.5%に対し、「年功序列」48.5%で過去最高(昨年から7.6%増)となったようです。
2つの調査によれば、就活生は成果主義に魅力を感じる傾向があるようですが、新入社員は年功序列を望む者が増えているようです。
IT業界に限定された調査結果ではありませんが、人事評価制度を見直す際には、成果主義か年功序列にするのか、両方を組み合わせた制度にするのかの参考にされてはいかがでしょうか。