執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

等級制度を導入している企業から労働時間制度のご相談があった事例になります。

全社員にフレックスタイム制を適用しており、上位等級になるとマネジメントコースとスペシャリストコースに分かれる複線型人事制度のケースになります。

スペシャリストコースの労働時間制度をフレックスタイム制以外にしたいようでした。

専門業務型裁量労働制は適用できる業務は、19業務(令和6年4月から20業務)に限られており、IT業界だと「システムコンサルタント」「システムエンジニア」などの業務を適用している企業は多くありますが、その適用業務以外については適用ができません。

事業の運営に関する企画・立案・調査及び分析の業務であれば、企画業務型裁量労働制を適用できる可能性もありますが、こちらも適用できる業務は限られています。

以下の図のように、一定以上の等級のスペシャリストは、職種に限らず裁量労働制を適用できますかといったご相談もあります。

営業や運用保守業務の職種は、職種の名称に限らず実際の業務内容にもよりますが、専門業務型・企画業務型裁量労働制が適用できる業務には該当しないと考えられます。

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ご参考までに、就業条件総合調査によれば、専門業務型裁量労働制を導入している企業は全企業では約2%となっていますが、産業別の情報通信業では約20%となっており、他の産業と比較しても圧倒的に多い状況になります。専門業務型裁量労働制が適用できる業務は20業務に限定さているものの、「情報処理システムの分又は設計の業務」「システムコンサルタント」「ゲーム用ソフトウェアの創作」などIT業界での業務が比較的多いことが理由に挙げられます。