執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

27712339_s30名規模のIT企業(コンテンツ制作)の事例になります。

提供しているサービスが好調とのことから、従業員数を増員予定に伴い、人事評価制度の導入を検討されていました。

経営層が自ら制度設計し、専門家にアドバイスをもらいつつ作り上げていきたいという意向でした。

当初、その会社の経営層が作っていた制度案は5等級の等級制度で、一番上位の等級には、職種に関わらず裁量労働制を適用し、それ以下の等級はフレックスタイム制を適用する意向でした。

裁量労働制は、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2種類がありますが、業務内容や業務遂行の手段や方法、時間配分等の裁量があることが前提になり、対象となる業務も限定さていますので、職種や業務に関係なく、等級によって一律に裁量労働制が適用できるわけではありません。

このIT企業の場合は、一番上位の等級には、労働基準法の管理監督者性が適用できるよう制度設計を変更し、裁量労働制の対象となる業務かつ裁量を持って働くことができる一定以上の等級の者には裁量労働制を適用し、それ以外をフレックスタイム制とする制度設計に変更しました。労働時間の管理制度と等級ごとに定める賃金テーブルや固定残業代の設定の仕方も併せて検討し、人事評価制度を完成させました。

人事評価制度を導入・見直しをしても法律に準拠していないと従業員からの不信感にもつながりやすくなります。

過去に人事評価制度の導入をサポートのご依頼をお請けした企業で、労務管理が整備されていない状況であっため、せっかく導入した人事評価制度が空回りしたこともありました。