執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

2022年4月1日より、中小企業にもパワハラ防止法が施工され、こうした背景もあってか、損害保険会社大手4社の合算した「ハラスメント保険(雇用慣行賠償責任補償特約)」の契約件数は、2015年度には1.7万件だったのに対し、2020年度には8万件に迫り、4倍以上に拡大しているようです。

ハラスメント保険は、企業が訴えられ、ハラスメントに関して損害賠償責任を負った場合、賠償金を補填したり、弁護士費用を賄ったりするものや、ハラスメント被害に遭った個人が、弁護士に相談する際にかかる費用を補償するタイプもあります。

従業員がハラスメント行為をすると、企業は使用者責任を負ったり、安全配慮義務違反の責任を問われたりすることがあり、ハラスメントの被害者である従業員が死亡したケースなどでは、賠償金が数千万円に及ぶことも少なくなく、会社経営にも影響を及ぼしかねません。

ハラスメント保険に加入しておくと、契約で定めた保険金額を上限に、企業に支払い義務が認められた賠償額や、訴訟でかかった弁護士費用が支払われます。例えば、従業員1000人規模の製造業であれば、年間保険料が90万円ほどであり、3000万円(免責10万円)を上限に補償されるのが相場のようです。

業種や規模にもよりますが、中小企業向けに、月払い保険料が数千円、年間保険料が数万円で加入できるものもあり、保険料は、企業のハラスメント防止体制や過去の発生件数などが考慮され、変わることもあるようです。

いろいろなタイプのハラスメント保険があるようですので、加入を検討する際は、自社の置かれた状況に合わせて、必要な補償を提供してくれる商品を選ぶこと重要です。

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ハラスメントに関するご相談は増えております。IT業界の場合、テレワークが浸透していることもあり、いわゆるリモハラのご相談もお聞きします。

パワハラ防止法対応し、相談窓口の体制整備や、アンケートや研修の実施することでも、予防効果は高く、万が一ハラスメントが発生しても会社の責任が問われるリスクも軽減できるかと存じます。

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