執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
アドビ社が、日本、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド7カ国で行った働き方に関する調査で、日本は唯一、「テレワークではオフィスほど仕事がはかどらない」と答えた人が多数を占めていました。
同社は「ハンコや書類へのサインなど、オフィスでしかできない紙を使った業務が、テレワーク環境下の仕事効率化の妨げになっている」と推定しています。
「テレワークの方がオフィス勤務より仕事がはかどる」と答えた人は、グローバルで平均69.1%だったのに対して、日本は42.8%と、調査対象国の中で突出して低く、7カ国中唯一、「テレワークだとはかどらない」人が多数派となります。
「テレワークによってワークライフバランスは向上しましたか?」の問いに「向上した」と答えたのはグローバル平均で85.5%。日本でも73.0%が「向上した」と答えたが、割合はこちらも7カ国中最も低い水準となります。
業務時間中に雑務にかける時間の割合についても、日本が35.5%と7カ国中最多となります。
高度成長期には、「長時間働き、一枚岩になって業績拡大する」という日本企業のワークスタイルがありました。長い時間職場で一緒に過ごす時間が増えることで、OJTで徹底的に育成し、連帯感が増し、居心地が良くなることで、チームワークを高め業績拡大につなげるといったサイクルになります。
IT企業の場合は、クラウドツールの導入が他の業界よりペーパーレス化は進んでいることが想定されます。テレワークだと仕事がはかどならいといった調査結果は、紙を使った業務以外にも、日本企業に根付いたワークスタイルも原因かもしれません。
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