執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

通信インフラサービスのALL CONNECT社は、全国20~50代の男女を対象に「リモートハラスメント(以下、リモハラ)」に関する調査を実施した結果、上司の40.7%は「リモハラ対策で何をすればよいか分からない」とし、部下よりも上司のほうがリモハラ対策について悩んでいる割合が多いことが分かりました。

上司に「リモートワークにおいて部下とのコミュニケーションで悩んでいること」を聞いたところ、最も多いのは「部下への指示出しのタイミング」(48.7%)。次いで「部下との距離感」(48.0%)となり、部下にリモハラだと思われないように最も気を付けていることは、「体型を話題にしない」(52.7%)が最も奥、次いで「髪型やメイクを話題にしない」「部屋全体を映すことを求めない」(51.3%)が同率の結果となります。

具体的な対策として、「リモハラだと思われることをインターネットで調べて、それを行わないように気を付ける」(32歳男性)、「すべて相手の判断、自身の管理に任せる」(42歳男性)、「事務的に対応する」(52歳女性)、「常に訴訟リスクを考える」(53歳男性)などのコメントが上がられています。

上司と部下それぞれに「リモハラだと思う上司の言動」を聞いたところ、「カメラを常時接続させる」と「部屋全体を映すよう求める」は上司・部下ともに8割以上という結果になり、「部屋全体を映すよう求める」ことについては、よりプライベートに踏み込んだ言動であることを上司・部下ともに多くの人が認識しているようです。

リモハラ対策で何をすればよいか分からず、悩んだことはあるかを聞いたところ、「悩んでいる」と回答した部下は10.0%に対し、上司は40.7%。30ポイント以上差が出る結果となり、部下より上司のほうがリモハラ対策について悩んでいることが分かりました。

ALL CONNECT社は「社内のリモハラを未然に防ぐには、上司と部下がお互いに配慮し合うことが一番大切なのかもしれない」としています。

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リモハラは、パワハラ・セクハラのリモート版となります。

セクハラは、密室や帰りのタクシーなどの行為等で、加害者自身が悪いという自覚がある人もいますが、パワハラは、指導の延長にあるので、加害者に自覚が無いことも多く、「バカなやつが悪い」「バカなやつのために指導してやっている」「原因は部下、自分は正しい」といった傾向もあります。

改めて、ハラスメント研修を実施したり、テレワーク規程の内容に、リモハラを禁止する旨を定めてみてはいかがでしょうか。

 

会社を守る就業規則

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