執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
バーチャルオフィスを運営するナレッジソサエティ社による20~30代の会社員を対象にしたに副業の実態に関するアンケート調査を公表しました。
アンケート回答者のうち、副業をしている人は全体の24.2%を占めており、そのうち、副業の目的は「収入の不足を補うため」が57.6%と2位以下の理由を大きく引き離して最も多く、次いで「趣味と実益を兼ねて」(25.3%)、「スキルアップのため」(9.3%)、「起業のため」(6.4%)となり、自身のキャリア形成の一環として副業を行う割合は少なく、年収増が望めない経済状況のなか、やむを得ず副業に取り組むケースが多いことがうかがえる結果となります。
また、「副業をしていない」と答えた人に副業をしたいか聞いたところ、69.7%が「はい」と答えており、副業に意欲的な人が多いことが分かりましたが、実際には副業できていない理由を尋ねたところ、33.2%が「会社が副業を許可してない」と回答しており、企業側の就業規則によって副業したくてもできない環境や、「副業の始め方がわからない」(26.4%)、「よい副業がみつからない」(26.1%)といった理由が挙げられています。
調査を実施したナレッジソサエティは、「副業を認めること自体が就職希望者にとって一つの企業選定要因となると考えると、企業側もさらに副業に対する理解を深め、従業員の副業を認める方向にかじを切ったほうが、副業ニーズのある求職者に対してアピールすることができる」とコメントしております。
人材競争の激しいIT業界では、リテンション施策や採用力を高めるために企業選定要因として副業を認めている会社は他の業界よりも多いかもしれません。
マイナビ社の調査では、求職者の6割以上が「副業可能」の求人に対して応募意欲が高く、副業可能な企業には優秀な人材が集まりやすく、結果的に企業の採用満足度も高まる、といった分析もされています。
副業・兼業を認めているIT企業は、改めて採用面でも活用してもいいかもしれません。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくりセミナー