執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
パーソル総合研究所の調査によると、ITエンジニアがキャリアを歩んでいくうえで、不安に思うことは、「自分の技術やスキルの陳腐化」(46.5%)が最も多く、次いで「今の会社でどこまで給与が上がるか不安」(45.9%)、「新しい技術やスキルの習得」(43.6%)、となり、技術やスキルへの不安感が高いことが明らかになり、同研究所は「企業としては、ITエンジニアが技術やスキルを研鑽する機会を積極的に提供すべき」と指摘していています。
年収と転職意向の関係性をみると、ITエンジニアは年収が高いほど定着しやすい傾向にあり、ITエンジニアの場合、職務に見合った市場価格であれば、それ以外の職種以上に定着する可能性があるようです。
ITエンジニアの希望年収と現在の年収の差のギャップは大きく、給与に関してより不満を抱えている可能性があり、同研究所は「希望年収と現年収のギャップの大きさは、ITエンジニアでは転職意向を上げ、それ以外の職種では管理職意向を下げる」と分析しており、転職市場に求人ポジションが相当数あり、どの会社でも通用するスキルを持っていることが背景に挙げられます。
また、ITエンジニアが使っているプログラミング言語別に希望年収と現年収をみると、最も差が生じたのはTypeScript(226.6万円のギャップ)となりましたが、「2021年、ITエンジニアが学びたい(強化したい)プログラミング言語ランキング調査」によれば、他の言語と比べても平均年収が高いといったことから最も学びたい言語は「Python」という調査結果もあります。
今回の調査結果を鑑みると、エンジニアには、技術やスキルアップの機会を提供できることを望んでおり、給与に不満を持っている傾向はあるが、年収が高いほど会社に定着しやすいということが明らかになっています。
人事評価制度やキャリアプランも見直しをされてはいかがでしょうか。
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