執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
会社に正社員として在籍しながら、仕事を失っている状態のことを意味する「社内失業」について、エン・ジャパンの調査によれば、「現在、社内失業状態の社員がいる(いる可能性があるを含む)」と答えたのは29%に達していることが明らかになりました。
業種別でみると、「サービス関連」(37%)が最も多く、次いで「商社」(34%)、「メーカー」(32%)、「IT・情報処理・インターネット関連」(28%)と続いております。
職種でみると、「企画職(経営企画、広報、人事、事務など)」(46%)が最も多く、ついで「営業職(MR、人材コーディネーターなど)」(30%)、「技術系(電気、電子、機械)」(10%)、「技術系(IT、Web、ゲーム、通信)」(9%)となります。
社内失業者の年代を尋ねたところ「50代」(61%)が最も多く、次いで「40代」(40%)、「60代」(25%)となり、役職は「一般社員クラス」(71%)が最も多く、次いで「マネージャー・管理職クラス」(36%)、「チーフ・リーダークラス」(27%)となります。
社内失業者の発生要因を聞いたところ、「該当社員の能力不足」(75%)が最も多く、次いで、「該当社員の異動・受け入れ先がない」(49%)、「職場での教育が不十分」(26%)、「職場での人間関係が悪い」(25%)となります。
社内失業についての悩みを尋ねたところ、「会社側が本人の異動希望を聞いたり対応しようとしても、組織として柔軟に対応できない。対象者は、おしなべて能力の低い人が多く、他で引き取ろうとしない」(メーカー)、「人材の不足している部署はあるが、社内失業している社員をその部署へ異動させることで生じる待遇や反発を考えると、適切ではないと感じる」(マスコミ)といった声があった。
IT企業からは、常駐先を選り好みして常駐してくれないとい、能力不足で、といったご相談もお聞きします。アフターコロナは、テレワークや在宅勤務の広がりにより、成果重視の評価制度に切り替えを検討される企業が多いようです。成果が見えやすい状況になれば、社内失業者にも効果があるかもしれません。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり