執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

パーソル総合研究所の調査により、外国人人材の活躍する日本企業が増えている一方で、外国人の部下のマネジメントが思うようにいかない日本人上司も少なくないことが明らかになりました。

「外国人の部下に対するマネジメントの難しさ」については、「ノウハウが無く、手探り状態である」との回答が3割と最も多く、「「外国人材をうまくマネジメントできていないと思う」との回答も2割となっており、少なくない日本人上司が外国人の部下のマネジメントに苦労していると言える結果になります、

「外国人部下に対する想定外のギャップ」について、日本人上司の46.1%が「自己主張が強かった」との回答が約46%と最も多く、「日本の常識が通じなかった」「昇給の要求が強かった」と回答も4割になり、外国人と日本人の働き方や仕事観のズレはよく指摘されていますが、受け止め切れていない日本人上司も多いようです。

一方で、外国人部下のマネジメントに悩む上司への会社のケアは決して十分とは言えない状況にあり、日本人上司に「会社から外国人部下を持つ立場ならではのサポートを受けているか」と質問したところ、「外国人人材の受け入れについての指導・説明」があったと答えた割合は26.5%、他の項目も約2割程度にとどまり、会社側のサポートの不備をうかがわせる結果となっております。

パーソル総研の担当者は「日本人上司の多くは実際に外国人の部下を持った時、想定以上の難しさを感じている」と指摘しており、外国人に対して「こちら(職場)に合わせてほしい」という意識が強い上司ほど、受け入れ時のギャップが大きくなるという結果も、別のデータから明らかになった、「上司は外国人部下の持つ『働くことへの考え方』を考慮してマネジメントすべきだ」「外国人材のマネジメントを経験の足りていない上司や現場任せにせず、会社側のサポートが重要」とも述べております。

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IT企業では、外国人技術者はとても就業意欲が高く、上手く活用している企業も多くありますが、異なった文化や習慣、仕事の考え方の違いから、労務トラブルに発展してしまうこともありますので、文化や習慣の違いに対する理解を促進し、パーソル総研の調査結果にもあるように受け入れる側の意識改革を進めることも重要です。

 

労務アドバイザリー(労務顧問)

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