執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

障害者雇用支援事業を手掛けるパーソルチャレンジ社はAIや機械学習、データサイエンスなどの先端IT領域で障害者の職域拡大を目指すことをも目的に、IT特化型就労移行支援事業所「Neuro Dive(ニューロダイブ)」を開設しております。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて提供される福祉支援サービスですが、65歳未満の身体、知的、精神障害または難病のある人で一般企業への就職希望者が対象となり最長2年間、就職に関する相談や必要なスキル訓練などを受けられることでできます。

厚生労働省が2018年に発表した調査によると、民間企業の法定雇用率2.2%に対し、実雇用率は2.05%と、達成している企業の割合は45.9%にとどまっていますが、法定雇用率は2020年度末までに2.3%へ引き上げることが予定されており、障害者雇用の増大の必要性が出てきます。

企業においては、これまで障害者を募集していた職種だけでなく新たな職種での募集も必要になってくる可能性もあり、障害者側も、これまでにはないスキルを磨く必要が出てきます。

IT人材の深刻な人不足を背景に、ニューロダイブは設立され、オンライン学習サービス「Udemy」などを通し、IT領域のスキルを学習し、国家資格を保有したキャリアコンサルタントとITに詳しいスタッフを配置し、それぞれの特性に沿った支援を行っていく予定です。

実際に就職活動を行う際は、パーソルホールディングス内で連携し、転職サービス「doda」を活用するなどのフォローも行っていくようで、担当者によると、20人の定員に対し既に10人の利用者がいるといいます。

障害者の就職支援サービスなどを手掛けるリクルートスタッフィング社は、「障害者だからといって一律に線引きするのは良くない。ITは先端的なテーマだが、持っている障害によっては適性があるケースも存在する」と述べており、法定雇用率の引き上げを前に、企業側も障害者側も、新たなステップを踏み出すことを求められてきます。

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身体障害者や知的障害者には事務職や軽作業が人気で、発達障害者にはエンジニアやプログラマーの人気があるともいわれています。新たな職種でも障害者募集や受け入れ後の制度・体制づくりの検討もされてはいかがでしょうか。

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