執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

システムエンジニアリングサービス推進組合が2019年1月に実施した第64回のSES分科会では、「クライアント担当者とエンジニアとの打ち合わせ(初顔合わせ)時の注意点」として、各自が心掛けていることや過去の経験談などについてディスカッションが行なわれました。

常駐先の企業担当者と派遣側のエンジニアが初めて打ち合わせをする際には、営業担当者が付き添うケースがほとんどですが、そのときの注意点についてまとめたのが下記の10点になります。

1. 既に取引があり内容が分かっているクライアント企業の場合、早めに現地近辺でエンジニアと待ち合わせ、事前に打ち合わせをする。既に分かっている業務内容と過去にヒアリングした事項を共有し、対策を練る

2. エンジニアの短所などを事前に常駐先へ伝え、ある程度を許容してもらえるよう交渉する

3. エンジニア自身の得意領域を確認して打ち合わせ時にアピールできるようシミュレーションし、実際の打ち合わせに備える

4. 常駐先との打ち合わせ時に営業担当者はあえて会話に入らず、司会進行役に徹するよう心掛けている。そうすることでエンジニアが主役になれるようにする

5. 打ち合わせの空気に飲まれないよう、エンジニアには定期的に業務やスキルを自己分析させ、自分の言葉で話せるように準備しておく

6. 業務以外の質問内容(残業時間や規制事項、職場の雰囲気など)を事前に洗い出し、エンジニアからではなく営業担当者から問い掛けるにようしている

7. 打ち合わせ時には、エンジニアに必要以外のことを言わないよう徹底させている

8. コミュニケーションツールを活用して自社内とリアルタイムに情報共有し、フォローアップとしてどのような過去事例があるかを確認できるようにしている

9. 打ち合わせが終わってからクライアント担当者にそのまま率直な意見を教えてもらえるようにしている。営業担当者としても感じたことを嘘偽りなく伝えるように心掛けている

10.  テレビ会議などを使って事前打ち合わせを行い、対面時に少しでも距離が縮まるようにしている

 その他にも、対象のエンジニアが厳しいという判断となったときのことを考慮し、代替のエンジニアをすぐに紹介できるように準備しておくなどの意見もありましたが、人材不足と言われる昨今では、代替エンジニアを準備するのはなかなか難しい部分もあるので、ある程度を許容してもらうべきという声も挙げられていました。

クライアント担当者とエンジニアとの打合せは、必ずしも良い打ち合わせになるわけではない中で、どれだけ事前準備が大切かという点を再認識できたのではないでしょうか。

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