執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
エン・ジャパン社の管理職に就くことに興味はあるのか」の調査により、「管理職に興味がある」と答えた人は50%ということが明らかになりました。
その理由は「自分を成長させたいから」が43%で最も多く、「部下に的確に指示を出すことで、自分自身の人間性も高まる」「成長できると思う」などの声が挙げられ、多い順に「給与を上げたいから」、「仕事の幅を広げたいから」、「自分の能力を生かしたいから」、「裁量の大きな仕事にチャレンジしたいから」、「自分の仕事の影響力を上げたいから」などの回答になっています。
一方、「管理職に興味はない」という人は29%であり、その理由は「自分には向いていないと思うから」(28%)が最多で、回答者からは「現場で働いている方が性に合う」「部下を怒ったり、間違いを指摘したりなどは、性に合わない」といった意見が出ており、多い順に「プライベートの時間がなくなりそうと感じるから」、「仕事の責任を増やしたくないから」、「仕事の量を増やしたくないから」、「人間関係の調整に時間を取られそうだから」、「残業代が出なくなるから」と続いています。
実際に管理職に就いた経験がある人に管理職のメリットを聞いたところ、多い順に「自分で決められることが増えた」、「部下の成長に関わることができた」、「自分の視野が広がった」、「給与が上がった」、「一人では出せない成果を出すことができた」(24%)、「キャリアの幅が広がった」といった意見が挙げられています。
また、管理職のメリットには「管理職ではなかった時に『いらない』と感じていた業務をなくすなど、効率化のアイデアを実行に移せた」「自分に足りないところを部下を通して知ることができた」「どのようにしたら部下を成長させてあげられるか、利益を出せるかなど、視野を広げる経験が積めた」などの体験談が挙げられています。
IT業界のエンジニアには、技術を追い求めていたいことや、性格的に向いてないという理由で管理職になりたがらないという相談をよく耳にします。
エンジニアの離職に悩むIT企業も多いかもしれませが、組織分析を行うと多くの原因は「会社の方向性」と「管理職」に根本の原因があることが大半です。
管理職のメリットにもあるように、一般社員の時には感じることができない経験が様々あります。人事評価制度で処遇面のメリットや、管理職を目指したくなるモデルとなる人材を育成することで、離職の防止や組織力の強化につながるのではないでしょうか。
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