執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

パーソルキャリア社の調査により残業時間の月平均が最長だった職種が「ゲーム制作・開発」の45.3時間であることがわかりました。

同社は「特にオンラインゲーム・携帯ゲーム・ソーシャルゲームは日々の改修や開発が欠かせない分野のため、スピーディーな対応力が求められる」とみています。

次いで残業時間が長かった業種は「インターネット/広告/メディア」の42.4時間であり、多い順に「建築施工管理」「ビジネスコンサルタント」「設備施工管理」「調理/ホールスタッフ/フロアスタッフ」「ファッション」「システムエンジニア」と続いています。

残業時間が短い職種については、最短だった職種は「経理事務・財務アシスタント」11.1時間であり、少ない順に「秘書/受付」「医療事務」「一般事務・アシスタント」「通訳・翻訳」「薬事」「営業事務・アシスタント」「銀行の個人向け営業」という結果です。

パーソナルキャリア社は「1位の『経理事務・財務アシスタント』は決算期付近が繁忙期であり、10位の『営業事務・アシスタント』は営業担当や顧客からの急な依頼が入り、想定外に帰宅が遅くなる日も発生する。つまり、どの部署でアシスタントをしているかによって働き方は大きく変わる』と指摘し、「このような環境でも、月間の残業時間を10時間台に抑えることができているのは、この職種で働く人たちが『効率』や『生産性』を重視し、実践しているからだと考えられる」と結論付けています

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残業時間の長い職種に施工管理系の職がランクインしたことについて、パーソルキャリア社は「オリンピック需要に伴う建設ラッシュが発生しているにもかかわらず、分野によっては職人が少なく、なかなか工事が進まないこともある。結果として工事スケジュールに遅れが出やすくなり、納期を厳守するために残業が発生する」と分析しています。

実質、IT業界の職種が長時間労働の傾向にあることがわかります。

長時間労働を減らすために、退社予定時間を書いたカードや有給休暇の消化を促す社長の手紙など、アナログな試みをしているIT企業もあります、

 

2020年4月から中小企業でも時間外労働の上限規制が適用されますが、効率や生産性を重視した働き方の実践や、人事制度やアナログな仕組みを検討し始めてはいかがでしょうか。

 

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