執筆者
社会保険労務士法人スマイング
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。
オフィスにBGM(バックグラウンドミュージック、背景音楽)を取り入れる企業が増えてきています。
BGMは歴史的には、精神療法や医学的な目的で使われていたと記録されており、20世紀のアメリカ企業が作業環境改善を目的として職場でもBGMが導入されるようになっています。
職場でのBGMは生産性の向上、ミスの減少、ストレス軽減など一定の効果があるとされています。
BGMの持つ主な効果は以下の4つになります。
1.マスキング効果(外部の雑音を打ち消す効果)
2.感情誘導効果(不安を軽減したり、痛みを打ち消す効果)
3.イメージ誘導効果(明るい雰囲気や楽しさを演出する効果)
4.行動誘導効果(音楽のテンポに行動スピードの影響を受ける効果)
BGMは、業務の種類によってプラスに働く場合とマイナスに働く場合があります。
脳への負荷が低い単純作業、自分が得意とすることであれば、音楽はプラスに働くことが多く、複雑な思考が必要とされるような脳への負荷が高い作業において音楽はマイナスに働く可能性が高いとされています。
どんな人にでもプラスに働きやすいBGMは、「調性が曖昧音量の変化が少ない、声のメッセージ性が弱い」といった特性をもつ音楽ことと言われています。
武蔵野音楽大学の音楽心理学者によれば、「音楽を聴くことで、主観的には『やる気が上がる』と感じる人が多いことは確かなようです。ただ、どのような音楽を聴いてそう感じるかは、その人の音楽の好みの問題も絡み、複雑だと思われます」
BGMの効果には個人差があり、必ず効果があると断言できるものではなく、そのような傾向があるということです。
職場の環境があまりに静かなため、BGMを導入したIT企業がありますが、業務中の音楽自体が苦手で、未だに常時耳栓をつけている社員もいます。
この企業は、あまりに静かな職場風土の改善のため、会話の生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。
「職場の環境改善」とはいうものの、個人の好み、その時の気持ちもそれぞれ違います。オフィスでBGMを導入しても必ずしも良い影響があるとは限りません。
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