執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

IT業界は多重請負構造型での就労が多いとされ、メンタルヘルスの問題や過重労働問題にもつながりやすく、ストレスの多い職場といわれてきました。

 

2015年12月から施行されたストレスチェック制度に関連して、iSRF (ITスキル研究フォーラム)が国内で就業するITエンジニアを対象にストレスに関する実態を調査した結果が出ました。

 

調査の詳細は、厚生労働省が定めた57のストレスチェック項目調査票のほか、ストレス耐性(自己肯定感、感情安定度、自己開放度)、生活習慣、モチベーション、パーソナリティーなどが含まれています。

 

調査結果から、ITエンジニアについての顕著な傾向がみられました。

・対人関係よりも、作業結果(仕事の質と量)にストレスを感じている

・ストレス反応として、「疲労感」が約40%と非常に高い割合を占めている

・仕事の負担が多く同僚からのサポートがないと、過半数以上が感じている。

・高ストレス者なる割合は、通常の2倍である

・ストレス耐性が低い傾向がある

・ベテラン(40歳以上)ほど、リラックスしにくく感情が不安定になりやすい

 

過度なストレスは、心と身体に影響を及ぼし、心の病気につながりやすいとされます。

 

今回制定されたストレスチェック制度の目的は、メンタルヘルス不調者のあぶり出しではなく、未然に予防することです。

従業員50未満の企業の実施は努力義務となっておりますが、ITエンジニアの職場環境の改善につなげて、メンタルヘルス不調者が一人でも少なくって欲しいものです。

 

 

参考)

最大のストレス要因は対人関係よりも「仕事の負担」、同僚のサポートを得られず

  http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/040500078/040700001/?ml

 ITエンジニアが「高ストレス者」になる割合は平均の約2倍

  http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/040500078/040700002/?ml

 ストレスに弱いITエンジニア、ベテランほど感情が不安定に

  http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/040500078/040700003/?ml