4月9日に労働安全衛生法の改正案」が参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決されました。

これにより、従業員数50名以上の事業所では、『労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師又は保健師による検査(=ストレスチェック)』が義務づけられることになります。ただし、検査の実施は希望する労働者のみ、50名未満の事業所では努力義務となっています。

ストレスチェック制度では、以下のステップを実施することとされています。

【ステップ1】労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師または保健師による検査(ストレスチェック)を受ける機会を希望する労働者に提供する。

【ステップ2】事業者は、問題ありとの検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施する。

【ステップ3】医師による面接指導の結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じる。

具体的なチェック内容は、「職業性ストレス簡易調査票 http://www.tmu-ph.ac/topics/stress_table.php」の一部として、疲労・不安・抑うつの3種類の症状を特定するための9項目が抜粋され使用されます。ただ現時点では、これらの9項目だけでは不十分と考える専門家も少なくないことから、不眠等の症状を尋ねる項目が追加されるともされているようです。

検査結果の悪用を防ぐ意味で、労働者の同意を得ないと事業者への通知は行われないとされています。

事業者は検査実施の負担は増えるものの、検査結果の把握は本人の同意がない限り知る事ができません。

労働者の健康管理に対する義務と、積極的にメンタルヘルスへの対策を行っていくためにも、従業員数50名以上の事業所では全労働者に検査を義務付け、情報を共有していくべきではないかと考えます。


労働安全衛生法の一部を改正する法律案
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-53.pdf